調査PRをやる前の広報の心得
今日は宣伝会議の勉強会にいってきたので、そちらでの内容をまとめました。
メディア露出の手法の1つに「調査リリース」というものがあります。簡単に言うと、何かしらの調査を行い、その結果をプレスリリースとして世に送り出すことです。
大手と違ってベンチャーの場合、プレスリリースからメディア掲載に繋げるのは非常に難しいというのが現実です。一方で調査リリースの場合、切り口次第ですが、メディア掲載に繋がる可能性は無限大です。でも、ただ闇雲に調査結果を出せばよいというものでもありません。
あくまで調査リリースの目的は、「間接的に売り上げに繋げること」。注意したいのが、調査リリースは商品やサービスをストレートに訴求するものではないので、すぐにマーケティング効果を得られるものではないという点です。掲載されたいがために、ムンムンに自社の宣伝色を出してしまうと、下手したら企業の信用を落とすことにも繋がりかねません・・・。
調査リリースをやるメリットは大きく2つ。
①メディアを中心とした人脈ができる点
例えば、某ネット広告代理店は「スマートフォン市場調査・未来予測」を年に1回出しています。定期的に調査を続けることで、「今年はどうなのか?」とメディアから問い合わせがくるようになります。「メディアが知りたくなって、広報に連絡が入ってくる」、そうすると広報の命綱でもあるメディアリストが自動的に増えてくるという好循環がうまれるのです。
「調査リリース→メディアからの問い合わせ→メディアリストが毎年増えていく」
②業界データがあることをメディアに知ってもらう=マスコミからの信用度が高まる
業界の新しい動向や調査データをもっているのは広報にとって実は非常に強いんです。
「この情報に関しては●●社の広報に聞こう」とメディアの人に思ってもらえるということは、当然企業へのマスコミからの社会的信頼度も高まります。広報は情報を、メディアは掲載というお互いwin-winな関係性が構築されます。
では、メディアに掲載されるにはどうしたら良いか。
まずは、調査リリースの目的を明確化させましょう。そして、調査によって得た結果を切れ味鋭く分かり易くまとめる、これが鉄則。その中で、「メディアがあっというところはどこか」「驚きはどこにあるか」という視点をもつことが重要です。
では、メディアへの掲載率を高めるために具体的にどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。これからご紹介する、5項目の掛け合わせがポイントになってきます。
①テーマ設定
「社会性・影響性」。これはメディアが取り上げるべき理由と言い換えてもいいかもしれません。時事ネタや旬なトレンド・季節性を意識したテーマ設定をすることで、情報に発信内容に公共性を持たせることができるので、メディアも取り上げてくれやすくなります。
②調査主体
同じデータでも、良くわからない会社の情報は正直使われにくいです。メディアも、不確か調査結果を記事にするほどリスクは負えないので。。。それから、業界No.1企業や上場企業は、社会からの信頼性が高いという意味でも、どんどん自社で調査リリースを出したほうがよいです。ベンチャーの場合は、マクロミルなど上場している信用できる調査会社を使うなどすると調査結果への信頼度もあがると思います。
③ニュース性
こちらはそのままで、「新規性」「おどろき」「気付き」をメディアに与えられるような調査結果になるような内容かどうか精査しましょう。
④情報の編集と加工
良くあるダメな調査リリースは、情報がありすぎて何が言いたいのかわからない状態のもの。
①③を整理して、構成をしっかつめて、サマリを分かり易く書きましょう。また良い文面は、客観性(データ分析結果)と主観性(考察)が織り交ぜられていて、さらに、サマリをリリース文面のTOPに持ってきているケースが多いです。見る人が分かり易い工夫がされています。ランキングが出しやすいようなテーマ設定やまもとめ方ももわかりやすいのでオススメです。
⑤継続性
スポットで調査リリースをするのではなく、定点観測ができるようにやると吉。1年目に調査結果がメディアに載らなくても、2,3年目に載るかもしれないので、継続することが大事です。
以上5つの項目と目的を意識して、調査リリースに取り組んでみるとよいと思います。。
最後に、、、
広報は、企業の社会的ミッションとして調査リリースを出すことを意識するとよいと思います。広報は短期的な掲載の目を向けるのではなく、業界をのばすという使命感でやっていった方がよいということです。例えば、ハウス食品や味の素がそのスタンスで定期的に調査を見かけますが、一方でコーヒーや紅茶業界などはあまり自社調査をみかけませんよね。。。市場がシュリンクしていかないためにも、広報自らが業界を活性化さていきましょう!
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