ブランドの信頼は誰がつくるのか。
前回の記事で、ブランディングが重要視される背景に、ユーザーからのロイヤリティ向上があるというお話をさせていただきましたが、参考になるセミナーがあったのでそちらについて書きます。
今回はPR Tableが主催する勉強会で、ブランドとインターナルコミュニケーションの関わりについてお話がありました。ブランディングプロフェッショナルのTCCコーポレーションの田所社長は、ブランドとは企業にとって最も重要な経営資源であり、強いブランド力により、その企業はマーケットの中で優位性をもつことができるとおっしゃていました。
例えば、
・価格プレミアムを実現
・マーケティング活動の効果増大
・パートナーやクライアントと有利に取引できる
・事業拡大機会が増える
・顧客と強いロイヤルティで結ばれる
・採用や資金調達やインナーモチベーションの面での効果
などといった市場優位性です。
私もバッグや化粧品をブランドで選んだりしますが、ブランドには企業からの様々なメッセージが圧縮されています。あるブランドに接したときに、消費者は様々なことを連想し、思い浮かべ、購買を決定します。こうした情報がユーザーにとって大きな購買動機となってきます。一方で、消費者に提案したブランド価値を実現せず、消費者からの信頼を裏切ったときには甚大なダメージを受けることになります。
つまり、ブランドとは、企業と消費者の間の「信頼」なのです。提案した価値に対して消費者からの期待にこたえ、信頼残高を増やしていくことで、ブランド力は強まっていきます。結果、消費者からのロイヤリティもあがり、購買へと繋がっていきます。
では、このブランドの信頼を守るのは誰か?
それは、まぎれもなくブランドを提供する人たち、つまり企業の社員一人ひとりです。自分たちの提供するブランドが、消費者に約束する価値を確実に実現しなくてはならないのです。事業活動や社員の行動がブランドによって統一されていること、社員がその信頼に答えていることが非常に大事になってきます。社内にブランドを浸透させ、消費者に価値を提供するのはまさに彼ら自身なのです。
社員の感情をサービスと一体化させることで、強いブランドが生まれてきます。「今働いている会社のブランドを誇りに思う」と、社員が心から感じ、ブランドに沿った行動をしていくために、インターナルブランディングを行っていく必要があるのです。
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