BtoB向け企業の広報の役割

 前回はBtoBビジネスにおけるマーケティングの必要性について書きましたが、今回は、BtoB向け企業における広報の役割について書いてみたいと思います。事業部付けのサービス広報であれば、事業部のマーケティング機能と一緒に動くことも多いですよね。

 当社は広告代理店として創業から10年程立つのですが、広報部門を立ち上げたのは約2年前。広報になりたての時は、どんなメディアでも良いからとにかく掲載数を稼ぐこと、媒体社さんにお会いすることが1番と思って、良く出かけていました。今思うと、掲載自体を目的に動いていて、会社の方向性や戦略にそって広報活動をすることが全くできていませでした。


 でも1年くらいやっていると、その行為自体に意味がないことに気づいてきたんです。つまるところ、当社はBtoBのサービスを提供しているわけであって、各事業がターゲットとしている企業担当者に、当社のサービスを知ってもらい、どんな企業なのかを知ってもらうことが、広報の最終的な目的である売り上げ貢献に繋がっていくなと思ったんです。だからこそ、事業部の戦略にそって、彼らのストーリに合わせる形で外部発信をしていくことがとても大切だなと。


 当たり前のことですよね。ターゲットとなる人に接触できるメディアに最適な状態で情報露出できる方が、ただただ無戦略に露出させるより、よっぽど意味がある。最初から気づけよって話なんですが・・・。自分にも目標値があるので、ついつい足元を見てしまっていたなという反省はあります。


前段が長くなりましたが、早速本題に入ります。


 社外広報活動においては、BtoCとBtoB向けの大きく2つのパターンがあります。BtoC向けではサービス利用者の獲得や売上アップなどが目的となってくるので、消費者に広く情報提供ができる雑誌テレビ、ソーシャルメメディアなど比較的分かり易いところでの媒体アプローチがイメージできますよね。


一方で、BtoB向け広報は少し特殊だと思っています。BtoB向け企業の大きな特徴として下記が挙げられます。


・限定された特定業種がターゲットである点

・取引先の意思決定(受注)までに複数の人間が関係してくる点

・商材単価も比較的高く、決定まで比較的長い検討期間を要する点


商材単価も高額かつ関係者も複数いるために、買い手からすると、どの企業と取引するか非常に重要になります。その判断材料の1つとして、「信頼」というものがあると思います。


つまり、BtoB向け企業においては、買ってもらうための商品PRのみではなく、企業ビジョンの明確化や信頼を得るための十分な実績の公開などがあるか、つまりブランディングの取り組みが必須条件となってくるといえます。※この点は前回お話しましたが。


 ではその中で、広報としてどのようにしてこの信頼の獲得に貢献していけばよいのでしょうか。


 顧客からの信頼を得るためには、自分たちを知って欲しい相手に、深く情報を伝える必要があります。そのために、会社のTOPをどんどん活用していきましょう。社長の信念や理念の発信を通じて、ブランドへの理解促進や信頼獲得に繋げていくことが1つの有効な戦術といえます。またその他にも、市場における調査リリースなどもマーケットからの信頼を得るには有効です。この、特にスタートアップは情報の信頼性という意味で、マクロミルなどの大手の調査会社を使うとよりよいでしょう。


 いかがでしたしょうか。BtoBには少し違ったアプローチがあるという視点を持つだけでも、広報戦略の立て方の幅も広がるのではないでしょうか。ターゲットを広くし過ぎた専門性の低い発信をするだけでは期待する効果には直結してきません。PR目的をきちんと明確化し、目的に合ったターゲット設定、媒体選びをしていくことが、最終的な組織貢献に繋がっていくと思います。当社もBtoB向け企業として、社長初め、サービス責任者が考えるストーリの展開露出、調査リリースなどを通じて、マーケットから期待されるような、企業へと昇華させていければと思っています。

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